2026.6.7

霧島に春を告げつ伝統行事 狭名田の長田御田植祭

お知らせ
  • 霧島に春を告げつ伝統行事 狭名田の長田御田植祭

霧島市霧島田口にある「狭名田の長田」では、今年も御田植祭が厳かに執り行われました。

皇孫・瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)がこの地で初めて水稲を作られたと伝わる、日本最古の水田といわれる場所です。

神話の息づく田の前で神事が始まると、会場には静かな緊張感と清らかな空気が広がりました。

神事の後、お田植えが始まり、その最中には神楽の舞も奉納され、田んぼと舞が一体となった印象的な時間が流れました。舞人の動きに合わせ風が稲の苗を揺らし、この地に息づく神話の世界がふっと姿を見せたように感じました。

お田植えには地元の方々に混じって東京から訪れた親子連れの姿もありました。遠方からこの行事を目指して来られたとのことで、狭名田の長田が持つ歴史と文化の魅力が、今も多くの人を惹きつけていることを実感します。地元の方々が苗を植える姿に合わせて、参加者も丁寧に一株ずつ田へと手を伸ばし、会場全体が温かな一体感に包まれました。

行事の締めくくりには、地域の皆さんが用意された甘酒が竹筒のコップに注がれ、参加者へ振る舞われました。竹の香りがほんのり移った甘酒はとてもまろやかで、自然の恵みをそのままいただいているような味わいでした。

この甘酒には由来があり、御子彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)が誕生された際、この田で収穫された甘酒を作り、飯を炊いてお祝いしたという伝承が残っています。その故事にちなみ、今回初めて甘酒のふるまいが実施されたとのことです。

神話、祈り、農の営み、人々の温かな交流。

狭名田の長田御田植祭は、霧島に息づく文化の豊かさを改めて感じさせてくれる行事でした。これからも、この地に受け継がれてきた伝統が、多くの方に触れていただける機会となれば幸いです。

発信元:霧島市観光案内所